鼻くそポイ捨て機の映画日記

映画見ておもったこと。ネタバレします。

みた

アイ・フィール・プリティーを見てきた。

 

私は努力をしていないタイプの顔のでかい、ずんぐりむっくりのブスである。かわいいなど言われたことがなく生きてきた。かわいいと言われることがあればそれはマスコット的な「かわいい」であり、賞賛する意味合いの「かわいい」は言われずに育ってきた。

男性から認められたこともない。唯一私の事をかわいいと言ってくれた元カレはストーカー気質で、どうにもうまく愛せなかった。それは彼の「はるこを愛していると言っている自分に酔っている感」をうまく呑み込めずにいて、かつそれを言語化できなかったためである。別れて早3年か4年が経過するが、今やっと言語化できたし、彼の「かわいい」「愛している」をうまく受け止められなかったのは、言語化できなかったとはいえきちんとそれを頭のどこかで理解していたからだと思う。

元カレには自分に酔うために利用され、合コンに行っては盛り上げ要因にされ、ちょっと気持ち悪いおじさんにセクハラされ、かわいい女の子のラインを聞くための足掛けにされてきた人生である。

 

誰も褒めてくれぬなら自分からかわいいって言っちゃおう!という精神で「いや私かわいいやろ(笑)」とぶっこんでみたものの、反応は芳しくない。私はエスパーではないが、彼らの頭の中が容易に読み取れる。「なにブサイクがブーブー言ってんだ」である。

その反応を見ても一度鞘から抜いた剣を引っ込めることは容易ではない。私のプライドはチョモランマ級だからだ。私はその剣を手に持ったまま、2年か3年は生きているのである。むなしい。

 

主人公はデブ・ブス・プライドチョモランマ。いや私かよ。

少しでも体を引き締めようとジムに通ったところ、頭をバカ痛く打ってしまい、自分がすっごくスリム美女に見えるようになってしまった(見えるようになってしまっただけ)女である。

 

セリフは曖昧ではあるが、

「男は顔しか見てない!!」という悲痛な叫びが痛かった。

主人公が自分の外見をけなすような、自信のないセリフを言うたびに胸が痛くなった。自己肯定感があまりにも低い。でもそれは仕方のないことなのである。小さいころから植え付けられた外見のコンプレックスはケバブのように自信をそぎ落としていくからだ。婚活市場に行けばなおさら。

私も現在婚活というか恋活というか、まあ色々頑張っているのだが、びっくりするほど男性に相手にされない。少し連絡先を交換してみようということになって連絡できない。自分に自信がないからである。

 

見れば見るほどに胸が痛い作品である。

でもしっかりと笑わせてくれる。主人公が自信満々になってからは笑いのオンパレード。

でも自信を身に着けた主人公は代わりに大切なものを失いかけた。なんていうか、そこまでする?と思っちゃったけど、多分「今まで注目を浴びてこなったがゆえに、他人(友人とはいえ)に男の興味が向くのが許せなかった」のか。本当に厚意だったのか。いやそれはないな。


美しくなることはいいことだ(主人公自身は外見変わんないけど)。自信を持つことだって凄くいいことだ。でも本当に大切なものを見失ってはいけない。失ってからじゃどう頑張っても取り戻せない。それは自信を持つことよりも、美しくなることよりも、遥かに難しく不可能なことだ。



自信を持つことが大切だと教えてくれたいい作品。自分は自分のままで、自分を愛してあげることが何よりも大切だと教えてくれた作品。自分を愛せない人は人に愛してもらえない。まず自分を愛さなければならない。

自分の何もかもを受け入れて、それでもなお自分を愛することが幸せへの第一歩なのだろう。はるこも頑張ろう。