鼻くそポイ捨て機の映画日記

映画見ておもったこと。ネタバレします。

みた

永遠に僕のものを見た。

まだ公開中の映画なので4,5行ほど自分の話をする。

 

私は早く死にたい。老いたくないのではない。自分が生というエネルギーに満ちている間に死に向かいたい。でないと、死をただ待つだけの存在になってしまうようで怖い。死は誰しもに平等に訪れるが、待つだけの価値が死にはあるのだろうか?わからない。私はまだ生きているから。

つまらない人生は送りたくない。そうは思いつつも、私の人生は今現在、進行形でつまらない。職場と家の往復、疲れ切って眠ってしまう日も多い。朝は早く起きて勉強をして、そしてまた仕事へ。つまらない。つまらないのである。こうやって生のエネルギーを消費している。いいのだろうか?わからない。が、いいはずはない。だが現状を打開する策すらない。

 

 

永遠に僕のものを一言で表すのであれば、【愛】であろう。

なぜこの副題をつけたのか?と思ったが、最後まで見ればよくわかった。

 

主人公のカルロスは天才だ。天才の犯罪者。泥棒することだって当たり前、人を殺すことに罪悪感すら感じていないのであろう。自分の感情と衝動のままにものを盗み、人を殺した。

なぜ犯罪がいけないことなのかすら考えてない様子の彼は、まさに純粋無垢という言葉がピッタリであった。

 

カルロスはラモンに一目惚れしたのであろう。タバコの煙をかけるシーンではゾクゾクとした。色気が半端なさ過ぎて。ラモンにはその気はなかったのだろうから、一瞬にして殴られてはいたが殴られた姿も美しかった。

ラモンはカルロスを利用した。彼の好意だってわかっていたはずだ。「あいつは俺の言う事なら聞く」と言っているぐらいだから。分かっていてあんなに自由だったのか。酷い男だな。

 

マリリンモンローみたいだと言われたときの笑顔が脳裏に焼き付いている。純粋で美しい微笑み。あんな笑顔を浮かべた後で、宝石店の宝石を根こそぎ奪うのだから、たまったものではない。

 

ラモンが商売相手に自分の体を売り(売ったのか?)、名声を身に着けようとした段階でカルロスの態度が変わっていった。目には明らかに嫉妬の炎が燃えていた。身分証明書だって、たとえ罠だとわかっていても届けに行っていただろう。もしもラモンが他になびこうとしていなければの話だが。

そもそも、罠だと思う理由がどこにあったのだろう。警察官がいたから?警察署にいるのは当たり前だろう。ラモンを懲らしめたかったのではないだろうか。自分を捨てようとした彼を、自分から捨ててやろうと思ったのではないか。 

 

結局それは叶わなかったが。

元女房だと呼ばれ、他の相棒を見つけてこられ、カルロスの気持ちはズタズタだったであろう。もう自分のものではないのだと。だから殺した。永遠に自分のものにするために。

心中する間際、唇に触れるシーンが美しかった。自分を捨てようとした彼を、心の底から愛しているのだと、純粋な愛の形を突きつけられたような気がした。

 

カルロスが捕まって、逃げて、逃げた先で立ち寄ったのはラモンの家だった。そこがもう、もう、だめだ、だめだった。ラモンのベッドで眠って、最後の思い出のつもりだったのか。

どうなるかわかって母親に電話をしたのだろう。殺されるか、再度捕まるか。捕まれば死刑か、終身刑か。

流れる涙は誰を思っているのか。これからの自分の行く末だろうか、それとも自分が殺した愛おしい人か。

最後を自分が心の底から愛した人の住処を選んだ姿が痛々しくも、純粋で、愛おしくて、どうしようもなかった。

 

ここまで純粋に、突き抜けた愛を見せつけられてただひたすらに圧倒された。

美しくエロティックで言葉を失った。

純粋な愛がひとたび歪むとこうなるのか。彼としては純粋な愛の形のままではあるが、我らは法律という名の元の色眼鏡で彼を見ているから、彼の愛が歪んで見える。ここまで純粋で暴力的な愛がこの世にあっていいのか。

 

 

とにかくカルロスがどエロい。美少年。エロすぎる。最高だった。引き締まってない体、青年と少年の間の体。美しい。赤いパンツが映える。最高だった。