鼻くそポイ捨て機の映画日記

映画見ておもったこと。ネタバレします。

みた

恋妻家宮本を見た。

 

ドンパチ洋画ばっかり見てたもんだから邦画ってひさしぶりでタブレットから日本語が流れてくるところでちょっと笑ってしまった。

 

遂に子が巣立ち、穏やかに穏やかに過ぎゆくように見えた夫婦生活が、たった一枚の離婚届を夫が見つけたことでぐるぐると加速していく話。

 

離婚届を見つけてからの旦那の動きはすごく不自然で、そりゃ妻からしたらバレバレやろうと思った。それがおもしろかった。

浮気を疑ったり家出かとそわそわしたり、その中でだんだん自分の気持ちに気づいて、優柔不断で頼りない宮本陽平から、妻を愛する(もとから愛していたのだと思うが、きっちりと自覚をもって)宮本陽平に変わっていくところが良かった。

 

今までお互いにおかあさん、おとうさんと呼び合ってたのを急に名前呼びに変えたり一緒にお酒を飲んでみたり、今までしてこなかったことをしようとしたのは妻の寂しさからか。

子が巣立ったことで「自分の存在意義とは?自分は誰かに必要とされているのだろうか」という疑問を抱き、それをぐるぐると考えながら抱え込んでいたがそれを何も言わず、夫も夫で必要なことは何も口に出さなかったからこんなドタバタ劇があったのだと思う。

でもこのドタバタ劇は夫婦にとって必要だったんだな〜とラストを見て思った。すごくいいラスト。ほっこりする。

 

ファミレスを中心に話は進んていくけれど、最初は相手にかっちり選ばせていたのを最後はシェアすると言う形で二人で選択した。

これからも一緒に決断していく、ってきっちりと断言していた。きっとリフォームも二人で話し合って決めるだろうし、妥協点も二人で見つける。陽平は優柔不断で何度も迷うだろうが、それをみよこが受け止めて支えて一緒に進んでいくんだろう。

二人は言葉が足りずにいたけれど、これからはきっときちんと言葉に出して、そして陽平はずっとみよこに恋をし続けるんだろうな〜。あ〜いい、すごくいい。こういうお互いを認めあった上で成り立っている関係いいな〜。

 

正しさよりも優しさが大事という言葉に感動した。確かに正しさは大事である。がしかしそれは時に刃になる。正しさで人を傷つけてしまう。人に向けるのは優しさを。

優しさと正しさを両立させるには、自分の中の正しいを明確にしなきゃいけないなと思った。間違った優しさもまた人を傷つけるから。

最初陽平は自分の中の優しさを明確にしないままドンに向かっていこうとした。だからお互いにずれあって遠慮しあって何も解決しなかった。陽平がみよことの関係を見直すにつれ、どんどん優しさを明確化していって、自分の一本芯を持ったことで優しさが通じた。

自分の優しさを通すとき、自分の芯も同時に持たなきゃならない。豆腐なんかぶつけられても相手は困るだけ。

 

恋妻家宮本めちゃくちゃよかったな〜。こんなにほっこりする映画を他にも見てみたい。